日本の火葬

投稿日: 2020年9月24日 PM 3:26

この記事では、火葬の方法、火葬の流れについてお伝えいたします。

火葬をする前に

 火葬は故人の方が亡くなられてから24時間が経過してから行います。

 火葬の際には「埋火葬許可証」を提出する必要があります。埋火葬許可証は死亡届と共に発行される書類で、これがなければ火葬を行うことはできません。

 また、火葬終了後には埋火葬許可証に火葬済み証印が押されて返却され、その後霊園などに納骨する際に必要となります。(散骨の際にも必要です)

火葬場について

 葬儀が終わった後に霊柩車もしくはマイクロバスで火葬場に移動します。ご家族、親族や親しい人たちと最後のお別れをする場所が火葬場です。

 最近では火葬場と言わず、斎場、葬祭場と呼ぶ火葬場が多くなりました。一般的には斎場、葬祭場とは通夜や葬儀をする施設ですが、火葬場のみの施設でも同様の名称で呼ばれるようになりました。最近では施設も明るく、イメージも変わってきました。

 葬儀に参列することはあっても火葬に参列することはあまりないため、火葬についての知識があまりないという方も多いのではないでしょうか。

納の式

 火葬場では火葬を行うだけでなく「納の式」と呼ばれる式を行います。納の式とは故人の家族や親族の方が最後のお別れをする式です。

一般的には告別室、または火葬炉の前で執り行われます。祭壇が設置され遺影や白木位牌などを飾ります。参列者は、故人の家族と親族、僧侶(同伴している場合)のみとなります。読経(僧侶がが同伴している場合)や焼香が行われます。

 焼香の手順としては葬儀などの際に行う場合と同様です(僧侶→喪主→親族の順)。

 納の式が終わると故人とお別れができる最後の場となります。故人の冥福を祈り、しっかりとお別れをしましょう。

 納の式で喪主の方は挨拶をする必要はありません(散会の挨拶をすることで火葬が終了となりますので散会の挨拶は必要になります)。

火葬の開始

 納の式が終わると火葬炉に棺が入れられ火葬が始まります。近年では「台車式」と呼ばれる火葬炉が主流で、台車に乗った棺を燃焼炉に入れて火葬する方法です。火葬炉は800度以上の高温で主燃焼炉、再燃焼炉と2段階に分けて焼却を行います。

 現在使用されている火葬炉の多くは平成以降に新設されたものがほとんどで燃焼中の有害物質排出が極力抑えられています。なお、通例として火葬のボタンは喪主が押すことになっており、火葬炉の施錠した鍵も喪主が保管することになっています。火葬が終わるまで一般的に1時間程度の時間がかかりますので待合室などで待機します。待合室では参列者の方に軽食を振る舞って待つことが多いです。

骨上げ

 火葬が終わると「骨上げ」が行われ、ご遺骨を骨壺に収める儀式(拾骨、収骨)が執り行われます。骨上げでは喪主から関係の深い順に2人1組で行うようになっており、竹製と木製の箸をそれぞれ1本を1組として使用します。

 なぜこのような儀式が行われるのかは定かではありませんが、この世からあの世への橋渡しという意味合いや、神道的なハレとケ(通常の逆を行うような行為)の概念が影響していると考えられます。

 また、骨上げの際に「男女一組で行う」「男性は左、女性は右から行う」「骨壺の中で立った姿になるように足から頭蓋へと上体に向かうように骨上げを行う」「のど仏を拾う」などのルールがあります。またこれは地域によって異なりますので火葬場の職員などの指示に従って行えばいいでしょう。このようにして遺骨が骨壺に収められます。